
今や電車の中で若者が堂々と座り、
高齢者が立っている光景は当たり前のようになってしまいました。
とても残念なことです。
一方で、席を譲られたお年寄りがそれを断るのを目にすることもあります。
それも「大丈夫ですよ、次で降りますから。ありがとうございます。」ではなく、
「結構です!」とムッとしたように断る。
きっとご自身は「まだそんな歳ではない」というお気持ちなのでしょう。
いきなり席を立って「どうぞ」と言われると
気を悪くする方もいらっしゃるかもしれません。
では、どうしたら良いのでしょう。
譲る側も譲られる側も気持ち良く譲り、譲られるにはどうしたら良いでしょう。
私は電車の中で席を譲る時には
「おかけになりますか?」と相手の意向を聞くようにしています。
そうすると、
断られる場合にも「ありがとうございます」という言葉が返ってきます。
このようなことはお年寄りに対する場合だけではないと思います。
例えば、視覚障害がある方に声をかける場合。
軽く肩や腕に触れながら「お手伝いいたしましょうか?」と声をかける。
そうすれば、どちらの方向に相手がいるのかが分かります。
認知症の場合も含めて、道に迷っているらしいお年寄りには、
先ずその方の前に回り、笑顔で、口を大きく開けて、ゆっくりと
「何かお困りですか?」「どうされましたか?」と声をかける。
後ろから突然声をかけられたら誰でも驚きます。
正面から笑顔で問いかけられれば安心します。
そして、耳が遠いかもしれないので口を大きく開ければ
口の動きで何を言われているのかが解りやすくなります。
せっかくの親切で相手を傷つけないように、
どのようにお声がけをすれば相手が気持ち良く受け取っていただけるか。
決して難しいことではありません。
相手のお気持ちを考えて差し上げる。
そうすれば、自ずと適切なお声がけができるのではないでしょうか。